事例紹介

じょぶたんを活用されている事例をご紹介します。

株式会社ナカヨ 様

セル生産ラインの水すまし(部品供給業務)の動きを 「じょぶたん」で可視化

じょぶたんユーザー

株式会社ナカヨは1944年の創業以来、通信機器の製造に携わってきました。近年はその独自の通信技術を生かし、製造設備とセンサをIoT機器でつなぐことによって製造現場の遠隔監視を実現する「ファクトリーNYC(ナイス)」というサービスを展開して、多くの製造業のニーズに応えた様々なソリューションを提供しています。

スマートファクトリーのモデルルームとして稼働している同社の前橋工場では、以前はライン生産式で製品の製造を行なっていましたが、多品種小ロットに対応するためにライン生産式からセル生産式に切り替えました。直線上のベルトコンベアで製品を運んでいたライン生産式では人の動きは固定されていましたが、セル生産式はU字やL字の配置の中で少人数が移動して作業を行います。

前橋工場では生産性を向上させるために各セルに部品の供給・段替え・ライントラブルの初期対応等を行う「水すまし」を配置しています。「水すまし」は水上を素早く旋回する虫の例えで、部品倉庫・生産セルの工程間を動き回る事からそう呼ばれています。

この「水すまし」がどのように動いているのかを把握する目的で、作業時間と位置情報を同時に記録できる「じょぶたん」を導入しました。キーパーソンである製造部 田中部長にお話を伺いました。(以下、敬称略。聞き手:NX総研・福井)

総研
「じょぶたん」を導入した目的は?
田中
前橋工場では設備機械にIoT機器を取り付け、トラブル発生原因の特定や生産性の把握などの集約した情報から改善活動を進めてきました。また、生産セルの生産性についても作業者の動きを分析し改善を進めてきました。しかし間接業務をしている水すましの現状は把握できていませんでした。「じょぶたん」では作業時間計測とビーコンを使った位置情報取得ができると聞いたので、水すましをしているスタッフの業務改善に活用できるのではないかと考えて使ってみることにしました。
総研
今回の計測結果で明確になった課題は?
田中
水すましの業務のひとつに「出庫品の定量確認」という作業があります。これはライン投入してから、欠品や余剰が検出された際の全数確認のリスクを回避するために部材投入前に数量の再確認をする作業です。「じょぶたん」の計測結果を見ると想定以上にこの作業に時間が掛かっていることが分かりました。原因として2つ考えらます。数量の再確認にそれほど時間はかからないはずなので作業を必要以上にやりすぎている、あるいは余力がある時にこの作業をゆっくりやっているかもしれません。
あと歩数計測の結果から特定のスタッフに対する作業負荷が高くなっていたことが分かりました。部品倉庫に頻繁に部品を取りに行くスタッフは「じょぶたん」で計測した歩数で換算すると1日10キロ以上歩いていました。
図2_水すましの「じょぶたん」作業項目画面

図1:水すましの「じょぶたん」作業項目ボタン

総研
課題に対してどのような改善ができそうですか?
田中
「出庫品の定量確認」はリスク回避のための数量再確認なので主作業ではなく付帯作業です。本当に再確認作業をする必要があるかどうかを出庫部品毎に、生産セルの品質確認方法も合わせて見直す必要があります。作業方法が適切ではない可能性もあるので、改善して工数低減も検討しなければなりません。
特定スタッフに対する作業負荷の軽減については、ジョブローテーションをしてスタッフの作業負荷が均等になるように改善したいです。多能工化を進めることによって、一人の水すましが今よりも多くのセルの作業に関われるようになれば生産性を更に向上できると思います。
写真1:開始指定モードで作業が切り替わるタイミングでボタンを押す

写真1:開始指定モードで作業が切り替わるタイミングでボタンを押す

総研
ビーコンを使った位置情報分析ツールはどのような役に立ちましたか?
田中
各スタッフの行動エリアと滞在位置が確認できたので行動範囲が広いスタッフと狭いスタッフが特定できました。
もう少し多くの数のビーコンを設置して位置情報をもっと細かくとるやり方もありましたが、行動範囲の広いスタッフの歩く歩数が多いということを数値で可視化できたのは良かったと思います。行動範囲の狭いスタッフは歩くスピードが遅いということがわかったので、仕事に余裕がある可能性があります。
位置情報、作業時間、歩数の3つの計測結果は密接に関わっており、自分達の想定内のこともあったが、今まで把握できていなかったことが明確になりました。
図2:位置情報分析ツールによる各スタッフの滞留状況の把握

図2:位置情報分析ツールによる各スタッフの滞留状況の把握

総研
「じょぶたん」を使ってみて良かった点は?
田中
「じょぶたん」による計測で、これまではたから見てもわからなかった水すましの作業内容と作業時間、移動範囲の現状把握ができました。本来時間をかけてやるべきではない作業に時間がかかっている、特定スタッフへの作業負荷が大きい、そういった課題が見えて改善策を検討できたのは良かったです。
スタッフの手空き時間がいつ発生するのかを「じょぶたん」で把握したかったのですが、これができなかった。これをするには作業項目のボタン設定を工夫する必要があります。時間制約のない作業項目を設定して、その作業が行われている時間帯は手空き時間で余力があることがわかるようにしておけばよかったです。しかし作業項目のボタンを細かく設定しすぎるとスタッフに負担がかかるので、何を知りたいのかを明確にした上で作業項目の設定を行うことが重要だと分りました。
総研
今後「じょぶたん」をこのようなことに使ってみたいというのがありましたら教えてください。
田中
間接部門の業務把握に有効なツールだと思います。今回は直接部門の工場内での計測でしたが、間接部門の従業員は終日パソコンの前に座って仕事をしているので周りから見ても誰がどんな仕事をしているのかが分かりにくいです。テレワークしている従業員や製品の発送をしている部門でも使えると思います。
総研
本日は貴重なお時間とご意見を賜り、誠に有難うございました。
写真2:左から、田中部長、根岸課長、三島部長

写真2:左から、田中部長、根岸課長、三島部長

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