事例紹介

じょぶたんを活用されている事例をご紹介します。

株式会社タナベ経営 様

建設会社の生産性向上支援で「じょぶたん」を徹底活用!

じょぶたんユーザー

「First Call Company 100年先も一番に選ばれる会社」をモットーとする株式会社タナベ経営は1957年の創業の経営コンサルティング会社です。経営診断という価値を中小企業から中堅・大手上場企業にまで展開し約7,000社のコンサルティング実績を持っています。

昨今はクライアントの「働き方改革」のサポートをするコンサルティング業務において、従業員の勤務実態を把握する目的で「じょぶたん」を利用して頂くケースが増えてきました。現場に直行直帰する従業員が多く、勤務実態が掴みにくい建設会社に対するコンサルティングでの「じょぶたん」活用事例についてドメインコンサルティング大阪本部 大裏部長代理に詳しくお話をお伺いしました。

(以下、敬称略。聞き手:NX総研・福井)

総研
建設会社のコンサルティングで「じょぶたん」を導入した目的は?
大裏
業務時間の見える化を手軽に、効率よく、より正確に実施したいという課題が最初にありました。それまでは業務時間を計測する対象の従業員の方々に2週間分の日付と業務項目があるエクセルシートをお渡しして毎日業務終了後にどの業務を何分間したかをパソコン入力してもらってそれを集計していました。
多くの従業員の方々は、印刷したエクセルシートにその都度、手書きでメモをするなどして、昼休みや業務終了後にパソコンに入力という流れで進めて頂きました。しかし、中にはメモ・パソコン入力を忘れてしまい、後からまとめて入力するという方もおられました。また、現場業務をしながらメモ・パソコン入力することを面倒に思う方もおられました。
「じょぶたん」を使えばこの課題をデジタル化して効率良くできるのではないかと考えて導入をしました。スマートフォンなので現場作業する方も手軽で持ち運びがしやすいというメリットがありました。
特に製造業や建設業の中でデジタル化があまり進んでいない会社ほど「じょぶたん」のような形で勤務実態が把握できるツールは革新的に映るようでクライアントの受けがよく、提案時から期待感を持ってもらえて、実際に計測した生データを見て頂くと「ここまで詳しい業務内容の実態は自社でははじきだせなかった」と言われることが多いです。
総研
建設会社でのコンサルティング事例ではどのような課題が多いですか?
大裏
課題は会社によって様々です。最近携わった建設会社A社のコンサルティング業務では27カ所の現場の約70名の従業員を対象に「じょぶたん」で時間計測を実施しましたが、計測対象者の残業時間が恒常的に多く、1日平均12.5時間も勤務していることが明らかになりました。中には1日平均15時間を超える従業員もいました。
計測結果で衝撃を受けたのは現場の所長クラスの方が管理業務でなく作業ベースの仕事をこんなにやっていたのかという実態が浮き彫りになったことです。所長クラスの方も作業ベースの仕事に結構時間がかかっていそうだとわかってはいたのですが、それを裏付ける数値データがこれまではありませんでした。
A社では主任クラスの人達でも1日に3~4時間の残業をしており、同じ規模の他の複数の建設会社のデータと比べても現場の作業ベースの仕事の比率が格段に高かったのです。所長クラス、主任クラスの人が作業ベースの仕事をするのは悪いことではないのですが、「時間をかけすぎているのではないか」「本来の仕事ができていないのではないか」という課題があることがわかりました。
図1:建設会社A社での「じょぶたん」作業項目ボタン

図1:建設会社A社での「じょぶたん」作業項目ボタン

総研
所長クラスの方、主任クラスの方々は本来どんな仕事をするべきなのでしょうか?
大裏
所長クラスは「現場管理」や「教育」がメインの仕事なので、「教育」というボタンを設定していたのですが、このボタンを押した所長は1名だけでした。「現場作業」や「図面作成」に追われて「教育」の時間が取れていないことが判明しました。「図面作成」はA社では本来所長クラスでなく主任クラスがする作業です。主任クラスのスキルを上げることが所長クラスの仕事ですが、下が育ってないから自分で図面を書かなければいけない、図面を書いていると部下に教える時間がない、そういう悪い循環をしているのがデータから見えました。
総研
データから見えてきた課題に対してどのような改善を提言しましたか?
大裏
他社では、所長が全て図面作成・チェックを担当するのではなく、所長の指示のもと、本社のCADオペレータが修正をし、所長や主任がそれをチェックするという方法で分業してうまく効率化している会社もあります。そういうことをやっていく必要があるのではないかという指摘をさせて頂きました。
現場従業員の方からは、事務所に居辛い、事務所にいたら周りからサボっていると思われるのでは?という意識があり、とりあえず現場に行って「現場作業」をしていることもあるというお声も一部でございました。
残業時間を削減する方策として、「現場作業」は現時点ではただ何となくという意識でやっているので、会社の意思として「現場作業は1日1時間以上しない」というルールを決めてそれをやり切ってもらうよう提言しました。特定の作業項目に絞って業務改善をしていけば今までと違うやり方に変わっていきます。我々の過去の経験則に基づいた見立てでは平均12.5時間の勤務時間が2年後には10.5時間まで下がって残業時間が2時間削減されることをデータで示すことができました。
図2、「じょぶたん」を使ったデータ分析(例)

図2:「じょぶたん」を使ったデータ分析(例)

こういった分析結果をクライアントに提示すると「なんとなく感じていた問題点がデータで裏付けされ、やはりそうだったのかと気づくことが多々あった」とか「データで裏付けされたことで改善意欲に火がついた」とよく言われます。
分析データからは課題も見えてきますが、いい部分も可視化されます。人数は少なかったのですが、部下をうまくマネージメントしている所長は何名かいて、その所長の部下は「現場作業」の時間と残業時間が少ない傾向がありました。ヒアリングしてみると所長が前日に部下に「明日はどんな作業をするのか」という質問をしていて「この作業とこの作業は自分ではやらずに業者に任せるように」という指示を出していました。現場をうまくコントロールしているモデルとなる所長がいたのでそのやり方を横展開してもらいました。
総研
御社の「じょぶたん」を使った建設会社のコンサルティング手法についてもう少し詳しくお伺いできますか?
大裏
建設会社に対するコンサルティングの進め方は大きく分けて2段階あります。まず第1段階が「現状を抑える」フェーズでここに約3か月かけています。先程お話したA社では最初にキーとなる15名くらいをピックアップして1人約1時間のヒアリングを実施して業務棚卸をしました。その後で「じょぶたん」を使って現場でどんな仕事にどれぐらいの時間をかけているのかを計測してそれを統計として出す作業をします。計測結果を見た後に従業員がその結果に対してどんな意見を持っているのかというヒアリングを実施します。その2つを元に我々でどんな改善策があるのかという仮説を設定。ここまでがフェーズ1です。
図3:タナベ経営の建設会社向けコンサルティングの進め方

図3:タナベ経営の建設会社向けコンサルティングの進め方

フェーズ2ではその仮説を実行します。期間についてはケースバイケースですが、半年ぐらいかける場合が多いです。例えば所長がいろんな仕事を抱えていてサポートが必要だと判断した場合は「事務作業、書類整理をサポートするチームを作る」というテーマを設定します。そのチームはどんな仕事をするのか、どんなメンバーがいいのか、社内でどのような連携を取ってやっていくのか、そういったことを考えて仕事のやり方やメンバーを固めて実行するのを半年ぐらいかけてやります。
他にも「発注のやり方を大幅に見直す」「図面のチェックのやり方を見直す」「業務フローを見直す」「書類を削減する」などのいろんなテーマを決めて走らせていくのがフェーズ2です。会社によってテーマが変わってきます。
クライアントからは「ここまで詳細なデータ分析を今まで見たことがなかった。個人別、時間帯別、現場別に業務時間の使い方を見ることができ、今後の働き方改革において何をどう進めていくか非常に参考になった」とご評価を頂いており、多くの建設会社で同様の手法のコンサルティングを実施してきました。
建設業では2024年4月から労働基準法改正による時間外労働時間の上限規制が開始されます。しかしながら現時点では何も手が打てていない会社が多く、2024年に向けて取り組みを始めなければいけないという会社が多いのでこの手法のコンサルティングはまだまだニーズが高いと考えています。
総研
「じょぶたん」を使ってみて困った点、改善が必要な点はございますか?
大裏
24時間体制でなくてもいいので「じょぶたん」の使用者が使用時に困った時は「ここに電話をかければサポートしてもらえる」という電話サポートを実施して頂きたいと考えています。
従業員の方には事前に取組について説明会を実施しましたが、スマートフォンの操作に慣れていない人からタナベ本社に何度も電話があり、タナベ社員が操作方法を逐一説明しなければならず負荷が大きかったです。
現状のメールでのサポートではスピード感に欠けるので、使用者から直接コンタクトできる御社のサポートデスクの電話番号を設定頂きたいと考えています。
総研
電話サポートについては社内で情報共有をして検討させて頂きます。
本日は貴重なお時間とご意見を賜り、誠に有難うございました。
大裏部長代理

写真:経営コンサルティング本部 ドメインコンサルティング大阪本部
大裏部長代理

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